• 2017/03/10

【病気なんてぶっ飛ばせ!】うつ病との仁義なき戦い、その1

生きているからには付き合わなければならない病気。 ライターかみりんごがこれまで遭遇した病気をぶったぎります。 今回は私がうつ病を患い、寛解したときの体験談その1。

スポンサーリンク

私の敬愛する田中圭一先生の「うつヌケ」が、今話題沸騰中である。

Yahoo!ニュースにも掲載され、田中先生がついに日本中を席捲する日が来たかと感慨もひとしお。
(というのも、田中先生は「お下劣サイテーパロディー漫画家」と自称されている方。「Gのサムライ」や「神罰」は不朽の名作)

私も例に漏れず「うつヌケ」を読んだのだが、現在うつ病の方も、うつ病を理解したい方もぜひ読んでいただきたい素晴らしい本である。

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

さて、実は私も10年ほど前にうつ病を患い、寛解した「うつヌケ」のひとり。
そこで、自分のうつ病の体験談を少し書かせていただこうと思う。

 

もともとうつ病とはほど遠い性格

私は家族からも友達からも「うつ病とは程遠い」と言われるほど、のほほんと生きているように見えるらしい。
なんせ高校時代に自転車に乗っているだけで「楽しそう」と友人のお母さまに噂されるほど。
実際、自分の自転車=「もののけ姫のヤックル」、自分=「アシタカ」と思い込んで運転していました。
祟り神に毎日追われていました。

しかも超楽観主義者のぐうたらもの。学校から帰って昼寝して、起きたら夜中で晩ご飯が終わっていたことも。(そんな日に限ってメニューがすき焼き)

なぜそんな私がうつ病になったのか。

一言で言うと「過労とストレス」。わー鉄板!

まさに絵に描いたような社畜だった3年目!

 

うつ病への華麗なるメタモルフォーゼ

大学を卒業して憧れのゲーム関連書籍の編集者として就職し、3年目となり責任がある仕事も任されるようになった私。
その「責任がある仕事」がめちゃくちゃ曲者でした。

なんせ、渡される資料が正しくないことこの上なく、資料を読んで記事を作っていると「全然違う!」と制作陣からクレームが来るのである。
あれか、君たちはエスパー相手に仕事をしているつもりか。
私をエスパー魔美かなんかと勘違いしてるのか。
パパのためにヌードモデルするキャラクターになんてなれない。絶対。

とはいえ、まだ3年目の尻の青いぺーぺーの私は言い返すこともできず、自分でゲームをプレイして資料を作り記事を作成→またクレームが来る。

最終的には「kamiringoさんは信用できない」ときたもんだ。
なんだこの生き地獄は! 信用できないのはお前らの資料と人間性だよ!

当時、本気でそう思っていました

 

しかも当時は帰宅しても電話・メール・FAXで仕事をしていたため、寝るのは午前4時なんてザラ。
会社で仕事してたら、プロジェクトのお金が足りなくなるのでまさにサービス残業ですわ。
そんな生活がもう半年以上続いていたような気がします。

それでも尻の青いチキンなので相手に文句も言えず、上司に「私、この仕事向いてないと思います」「もうこのゲームの本作るの無理です」と弱音を吐いたところ、

「kamiringoさんならできる」

とのお言葉。

いや、ほんと普通の状態ならめちゃくちゃ嬉しい励まし言葉。
でもめっちゃ士気が下がりまくりなわけよ。自分の限界ギリギリでふんばってると思ってるから。
私が長坂の張飛だったら、橋でふんばるのやめて劉備軍壊滅してるから。(超わかりづらい例え)

その後もほんとはダメだけど、家に仕事を持ち帰り、仕事をして朝出社する生活が続き……ある日急性虫垂炎に。
急きょ入院になり、上司に電話すると「その盲腸、なんとかならないのか」みたいなニュアンス。
もう、私じゃなくて私の盲腸と交渉してほしい。ほんとに。どうにかならねぇよ。

その間も病院から「早く入院しろ」と電話で怒られながら仕事を済ませ入院。
そしたらなんと、手術の翌日に仕事の電話が会社からかかってきて、術後の痛みに耐えながら長電話。(内視鏡手術じゃなく、がっつり切るところだったので、手術初体験の私には辛かった。)

ここで私は精神的な糸がプチンと切れてしまったようで、そこから様々な体調不良に見舞われたのでありました。

もうやってらんねーよ!


それにしても、当時結婚前だった夫が医者にもう結婚していると勘違いされて私の切った盲腸を見せられた話は、今思い出しても笑えます。

 

うつ病のすさまじい攻撃。まさにずっと俺のターン

さて、そこで私に起こった不調の数々は以下のとおり。(うつ病の症状は千差万別なので、あくまでもご参考まで)

・胃が痛く、気分が悪い。
・体がとてつもなくだるい。
・何をしても楽しくない。
・小説や漫画が読めない。
・テレビを見るのが辛い。
・何もないのに悲しくて涙が出る

はい、メンヘラ一丁入りました!

いやー、生来のだらけものと思って20余年過ごしていたので、病気とは気づきませんでした。
でもあまりに不調が続くので、これはおかしいなと感じ始めまして。

うつ病患者は生真面目という話をよく聞きますが、私も例に漏れずそうだったんだと思います。
その生来の生真面目さを間違った方向に発揮し、「体調不良はきっとどこかに悪いところがあるんだろう」と原因を探そうと躍起になり、内科・胃腸科などをはしごし徹底的に検査。

「髪の毛ひとつ見逃すな!」と殺人現場の刑事のような執念深さで、胃カメラや大腸カメラもやったんですが、結局は「胃潰瘍の一歩手前」というくらいで、特段重い病気も見つらず……。

 

これが針のむしろというやつか

悔しいやらなんやらで、だましだまし仕事に行っていたのですが、そこで私を襲ってきたのが「耐え難い不安感」。
会社に行ってただ椅子に座っているだけなのに「私ここに座ってていいんだろうか」っていう謎の不安感に襲われて、椅子に座れなくなるんです。
「座っちゃダメだ……座っちゃダメだ……」となるわけです。うつ病襲来です。
椅子とのシンクロ率0%です。

「とてもじゃないけどここに座ってられない。ドキドキする」とぼやくのを聞いた同僚のIさんが、「kamiringoさん、それうつ病です!(キッパリ)」と一言。

「え、うつ病って気持ちが落ちこんで死にたくなるやつじゃなかったっけ。私死にたくないし」と思いながらとあるサイトのうつ病セルフチェックをすると、ほぼ当てはまる……。
同僚のIさんは隣で仕事をしていたので、私の変調に気づいてくれていたのです。ありがたや。
この時は、本当にIさんが女神に見えました。

当時はうつ病のせいで頭が鈍って仕事が進まないので、ほんと自分が阿呆になったかのような毎日でした。
小説読もうとしたら、1行以上読めない。
ずーっとその1行だけ読んで、「読み進められないのが不思議だな?」って思って諦める。

まさに私の脳内が摩訶不思議アドベンチャー。

今考えると、それだけで完全に病気ですよね。

上記のことはほぼ会社と一人暮らしの自宅で起こっていたので、夫は全然うつ病と気づいていなかった模様。
というか、家族は気づかないと思う、普通に。
患者である私ですら気づかなかったし!

次回はうつ病と診断されてからのお話をしたいと思います。
ここからがパーリーナイトです。

 

そして診察へ……次の記事は

・えっ、空中に生首が!
・夕食時にアニメ三昧
・幻聴と被害妄想も勃発☆

うつ病との仁義なき戦い、その2はこちら

以下のサイトで、うつ病のセルフチェックをすることができます。
少しでも怪しいと思ったら、早めに受診することをオススメします!

→「うつ病~こころとからだ」サイトへ

この記事を書いたヒト

広告
新着記事
シリーズ
スポンサー