• 2017/02/10

【ブラチョーノ】高知の路面電車「とさでん」に美しき慈悲の心を学ぶ

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※某人気紀行TV番組に寄せていますが、知られざる歴史的トリビアや土地の謎の解明なんかは、全く出てきません。ご了承ください。

 

かつて庶民の足として日本中で活躍していた路面電車は、昭和40年代のマイカー普及、地下鉄の登場などを機に多くがその姿を消していきました。
高知はそんな路面電車が、今なお現役として街中を走っている地域の1つです。(ただ、全国で路面電車のある県は1都1道2府12県と、意外と多いようです)

 

JR高知駅前のとさでん乗り場。路面電車の乗り方が、坂本龍馬が起草した「船中八策」にかけて「電中八策」として説明されている。六策目、七策目あたりは、無理やり八策そろえるための付け足し感がしないでもない。

 

路面電車の乗り方は、初めての人には少々難しいかもしれません。
基本的には路線バスなどと同じなのですが、後部扉から乗り前扉から下りる動線や、料金後払い制といった仕組みは、駅間が短くすぐに次の駅に着いてしまうという路面電車特有の緊張感も相まって、慣れない人を戸惑わせてしまうかもしれません。
のんびり高知の景観と風情を楽しんでいると、「次とまります」のボタンを押し忘れたり、両替し忘れて下りるときに慌てて両替する羽目になってしまい、電車を停滞させ車内に殺伐とした空気を流すことでしょう。十分注意しましょう。

 

乗車駅と降車駅が、タテヨコに交差した箇所の金額が料金となる。高知の人間は子供の頃からこの表で二次関数の概念を叩き込まれているため、数学能力が高いという研究結果が出ている(大ウソ)

 

料金表も、高知の地名を知らない人には一見ではわかりにくくなっています。
自分の乗車地、目的地を把握し、高知市内かどうかも確認してから電車に乗りましょう。基本的に高知市内は均一200円です。

 

 

こちらが路線図になります。
高知を長く横断する路線と、JR高知駅から南に縦断する路線が交差する十字のかたち。人口が多くはないので、網の目のように走る都会の路線図に比べれば驚くほどシンプルです。

さて、この横断する方の路線の終着駅ですが、変わった名前になっています。

 

 

御免町(ごめんまち)駅。

 

珍名駅として全国ニュースで取り上げられたりもしてるので、わりと知ってる人も多いかもしれません。高知には「ごめん」という町があるのです。

高知の小学生(低学年)は、後免町から引っ越してきた転校生がいると、まず間違いなく、

 

「お前、どこから引っ越してきたがぁ?」

「ごめん」

「もっかい言うて。どこから引っ越してきたがぁ?」

「・・・ごめん」

「もっかい言うて。どこから引っ越してきたがぁ?」

「だから!ごめんって」

「もっかい言うて。どこから・・・」

 

「うるさい!!!」

 

といった、吉本新喜劇のようなベタベタな冷やかしが行なわれます。
いじめに繋がりかねない悲しい性(さが)を背負った町、それが後免・・・。

 

そしてこの路線の、反対側の終着駅を見てみると・・・

 

 

伊野(いの)駅。

 

それぞれの終点に向かう電車は、「ごめん行き」「いの行き」と呼ばれます。電車の先頭上部にも、「ごめん」「いの」とひらがな表示されています。

「ごめ~ん」と謝りながら走る罪深き魂と、「い~の」とそれを赦す慈悲の心が交差する瞬間!

 

「ごめん、ごめ~ん」

 

「ごめん、ごめ~ん」「い~の、い~の」

 

 

「ごめ~ん~!!」「い~の~!!」

 

我々はいま、真の赦し(ゆるし)を見ました。
彼の罪は贖われ、その魂は希望とともに、祝福の地へと旅立つことでしょう。嗚呼・・・。

 

 

この記事を書いたヒト

chochono

東京、中目黒在住のダンサー。fulsatoto編集長。魅力的なhitoへのインタビュー、東京での高知文化の活躍などを紹介します。

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