• 2018/06/10

【ダンス in シネマ】セント・オブ・ウーマン/夢の香り

プロ社交ダンサーが映画の中の素敵なダンスシーンについて紹介するシリーズ【ダンス in シネマ】 今回は哀愁漂うタンゴ・シーンが美しい「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」

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こんにちは!《ふるさとと》編集長のchochonoです。
僕のアイコン写真を見て「???」と怪しさを感じたヒトもいるでしょう。

↑ コチラ

これは僕の本業である社交ダンスの格好なのです。
そう、ワタクシchochonoは、普段は東京でプロ社交ダンサーとして活動しているのです!

そんなchochonoが、映画の中の素敵なダンスシーンについて紹介するシリーズ。
題して【ダンス in シネマ】!
僕は映画も好きなので・・・

セント・オブ・ウーマン/夢の香り

本日ご紹介する映画はこちら!

1993年製作のアル・パチーノ、クリス・オドネル主演のアメリカ映画です。

気難しく人間嫌いな全盲の退役軍人と、心優しいエリート寄宿学校の苦学生との年齢差を越えた友情を描き出した感動作。A・パチーノの熱演(彼のまったく動かない“瞳”の演技に注目!)やC・オドネルのさわやかな演技は言うに及ばないが、「ミッドナイト・ラン」で男同士の奇妙な友情を軽快に見せてくれたM・ブレスト監督が、今度は打って変わってじっくりと人間愛を描き、コミカルなアクション映画が得意と思われていた監督の奥の深さを認識できる点も記憶しておきたい。尚、A・パチーノは七度目のノミネートにして遂にアカデミー主演賞受賞! G・アンウォーとタンゴを踊るシーンは絶品!(ゴールデン・グローブ賞でも作品賞、脚本賞、主演男優賞を受賞している)

出典:「セント・オブ・ウーマン/夢の香り – allcinema」(http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=13006

この映画の見所は何といっても、アル・パチーノ演じる盲目の退役軍人、フランク・スレード中佐にかぎります。
↑ 上の解説にもある通り“瞳”をまったく動かさない盲人の演技も凄みがありますが、それだけでなく、このキャラクターそのものが本当に魅力的なのです!

登場した最初の頃は偏屈で扱いづらくてこんなのと何日も一緒に過ごすなんて絶対ムリ!ってぐらいのひどいヤツなのですが、話が進むにつれ彼の考えや境遇を理解してくると、徐々に魅力的な人物に見えてくるから不思議です。
女好きで下品な発言の多い助平オヤジで、セクハラに厳しい昨今ならあっという間に問題になりそうですが、それでもなぜか憎めないのは、心の底から女性を賛美し崇拝し、紳士的に接しているからかもしれません。(発言内容は卑わいですけど・・・)

デビュー以来名優と讃えられ、6度のアカデミー賞ノミネートを誇るアル・パチーノ。しかし毎回ノミネート止まりで受賞までに至らず、次第に「過剰演技だ」とか「オスカー逃しの常連」などと揶揄されるようになってしまいます。
そんな彼が7度目のノミネートで悲願のアカデミー主演男優賞を獲得したのがこの映画でして、アル・パチーノ好きの僕としてもたいへん喜ばしい作品なのです!

映画の中のダンスシーン

ダンスシーンは物語の中盤にあります。ストーリーそのものには直接関係がなく、話の展開だけを考えるならこのダンスシーンは、一見無くてもいいように思えます。

しかし断言できます!
この映画の中でこのシーンがもっとも重要である、と!

そしてもっとも美しい、と!!!

タンゴの名曲「Por Una Capeza」の情緒的な調べにのって、盲目であるはずのアル・パチーノが美しい女性を完璧にリードし踊り切る様は、哀愁に満ちていてまた神々しくもあり、まさに圧巻!
そしてこのシーンが、アル・パチーノが誇りを取り戻す“あるひとこと”に繋がる展開は、心の底からしみじみと涙が溢れます。

ちなみにこのダンス相手の美しい女性は、ガブリエル・アンウォーという結構有名な女優さんです。この短いシーンにだけ出演するという贅沢キャスト!

アル・パチーノのダンスって、プロが見てどうなの?

この映画を初めて見たときは僕はまだプロダンサーではなく、果たして全盲の人が女性をリードし踊るなんてことができるのか?と疑問に思いました。
しかしプロになりダンス業界に入って、ブラインドダンスなど視覚障害者がダンスを楽しむカルチャーがあることを知りました。人間ってすごい!

そして、ダンスを生業にした今になってこの映画を見ると、実はアル・パチーノはあまりリードをしていないということに気づきます。
どういうことか?というと・・・

ダンスというのは男性が女性をリードして、どんな振り付けを踊るのか、どっちに進むのかなど即興で決めていきます。女性は次に何を踊るのかまったく知らなくても、ともすれば初心者であっても、上手な男性のリードなら踊れるのです。

しかしこの映画のアル・パチーノと相手の女優さんは、恐らく振り付けを覚えています。(てゆうか、演技なんだから当然ですよね)
なんとな~く、組んだ感じやリードの力強さでわかってしまうんですよね・・・ダンサーになった今ならば。

フランシス・フォード・コッポラ監督も「ゴッドファーザー」DVDの監督解説で言ってましたが、実はアル・パチーノはダンスが苦手なんだそうです。その割に「ゴッドファーザー」でもこの映画でも、素敵なダンスシーンを見事に踊っててさすがだな~と思います。

最後に。アルゼンチンタンゴのプロに聞いてみた!

僕は数年前、日本でも著名なアルゼンチンタンゴ・ダンサーの方と一緒にお仕事をする機会がありました。そこで子供の頃から気になっていた、この映画でのアル・パチーノのタンゴは上手なのか?ということを質問してみたのです。
その方が言うには、

「ダンスの技術的にはアレだけど、でもアル・パチーノは魂で踊ってるよね!それがいいよね!」

と。

良かった・・・僕が子供の頃に感動し衝撃を受けたアル・パチーノのダンスは、やはり素晴らしかったのです。
そしてタンゴは魂で踊るという名言・・・心に染みます。

本日ご紹介したのは「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」
僕にとって10回見たら10回泣けるぐらい大好きな、宝物のような映画です!!


こちらがそのダンスシーン↓ ネタバレしたくない方は、直接映画をご覧ください。

映画はAmazonプライムビデオなど、各媒体でご覧いただけます。
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この記事を書いたヒト

chochono

東京、中目黒在住ダンサー。《ふるさとと》編集長。魅力的なヒトへのインタビュー、東京での高知文化の活躍などを紹介します。